企業組合あしたねと障がい者雇用
日本国内でも徐々に障がい者雇用に前向きなニュースが増えてきましたが、欧米諸国と比べてしまうと、まだまだ物足りない状況となっています。日本経済も長引く不況によって疲弊していますので、急速な進展は見られないといった状況です。しかし、そういった苦しい現状においても、障がい者の方のために、前向きな行動をすることで注目されている会社があります。それが企業組合あしたねです。
企業組合あしたねとは
企業組合あしたねは、千葉県佐倉市に組合本社を構える会社です。従業員数7名と、この業種の会社にしては、規模は小さめかもしれませんが、千葉県佐倉市を中心に、様々な改革に取り組んでいることが評価され、県内外からの注目度の高い企業です。
あしたねは、これまで陽の目をみられない方も多かった障がい者の方が、これからの日本国内において、障がい者の方がやりがいをもって働くことができる仕組みを作りつつ、雇用を生み出すことによって、よりよい日本になるよう社会貢献をしています。こういった分野は、どうしても大企業や国が力を入れにくい分野でもありますので、あしたねの行動が注目しされやすくなっています。
企業組合あしたねの沿革
あしたねは、2011年の9月17日に設立された会社です。東日本大震災から半年というタイミングでの設立でした。設立した千葉県は、東北エリアよりも被害は少なかったのですが、それでもいたる所に震災の傷跡が残っている状態でした。障がい者だけでなく、誰もが元の生活をおくることができるか不安だった時期です。決して恵まれたタイミングでなかったのにもかかわらず、翌年には、障害福祉サービス事業所として明日の種を開設し、本格的に事業をすすめていきます。明日の種では、終了移行支援事業をはじめ、B型の就労継続支援事業を行ってきました。この取り組みは、組織が再編成される2020年の3月まで続くことになります。
2013年は、あしたねファームという畑再生プロジェクトが指導し、養蜂などの取り組みも行われました。このあしたねファームではあしたねハニーというハチミツが商品化されています。2016年には花見川区役所食堂としてあしたね食堂が、2019年に古民家さくらそうがそれぞれオープンしました。2020年の4月からは、あしたね食堂で障害者雇用が開始されるなど、新しい取り組みが続けられています。
企業組合あしたねの役割
あしたねは、設立以来一貫して、スポットが当たる機会の少ない障がい者の方々の生活を改善するための行動を続けてきました。障がい者の方が、健常者と同じように頑張って働く場所を作り、障がい者の方にやりがいを作る取り組みは、設立から10年以上が経過した今でも変わることはありません。
また、障がい者が働くことができる仕組みを作り上げるということは、障がい者と共に生活する健常者の方にとってもメリットの大きなことです。こういったことは、企業レベルで実現させることは難しいと言われていて、特に経営が不安定な現在のような状況ではなおさらです。しかし、あしたねのような企業があることをしることができれば、障がい者の雇用に対して前向きな気持ちが芽生えるはずです。国も障がい者雇用に関する法律を広げつつある時代だからこそ、あしたねの行動、言動に注目が集まっているのです。